第二回 町に石油の雨よふれ

彼らのCDを自分ちのラジカセに入れて、じっくり聴いた事なんか一度も無い。そうする気が全く起きない。アルバムのジャケとロゴとメンバーの風体と、あとライブを何度か昔TVで見た事はあるんです。曲は、空耳アワーとか、糞チャラいアイドル芸人の糞つまらん番組のジングルでよく聴く、そんな程度。え?ああ、ランシドの話ですよ。

あのバンドが実際どれだけ"パンク"なのか、"コア"を持ってるのか、俺は解らないけど、街角やファッション誌やライブハウスやバイト先の客で良〜く見掛ける彼らのファン(ランシドCAPやランシドTシャツやランシドバッヂを身に付け、これみよがしに「ロックアイテムここにあり!」的に自分のファッションのスパイスにしてる連中)は、ことごとく!揃いも揃って皆!浅墓そうな、くだらなそうなツラをしてるんだよ。どうせ皆そうだろ?どうせ、どうせそうだろうよ。矢沢あいの読者(小中学校の女の子ならしょうがないけど、いい年こいたいい大人があんな漫画真面目に読んで絶賛してんじゃないよ!正気か?)とカブってんだよ、どうせ。男も女も皆そう。信念主張は後回し。猿真似(猿にのみ通用するフェイクの意)止まりなロンドン風味パーティに明け暮れ、本質掘り下げを放棄したファッションパンクス。流行最先端の売国奴。自覚無き、媚売りスタンダード。まさに!戦後日本の習わしの延長。本当ひどい、ひどい世の中。何なんだろう、この風潮。「見た目さえいかつけりゃパンク!そのいかつい身なりと偉そうな立ち振る舞いで周りを威圧してりゃパンク!」という、とんでもない勘違いを続ける脳味噌マッチョのヤンキーキッズ。キラキラ眼で"独りじゃない""音楽で国境越えてオーディエンス皆で繋がろう"みたいなうそ寒い事を、陶酔しきった天然ちゃんな表情(実際は天然ちゃんを装ってるだけ)で歌い、流行ってるからモッシュし、"キレた男"をアピれるからダイヴし、そして!「汗臭いと思われたくない=誰にも不快を与えたくない、嫌われたくない」という、パンクスとは程遠い思考ゆえに、体中に吹き付けたオーデコロンで、ホストまたはフィリピン姉ちゃんさながらの香水臭&武骨なポーズの体育会系バンドマン。魂よりも無造作ワックス。パンクどころかスポーツマンシップ。「理屈じゃねえ」が合言葉。思考停止の合言葉。漫画はワースト。TVはクドカン。着メロ全部ブルーハーツ。パンクロック=クラッシュっぽいやつ。メタルならメタリカ。でも、何だかんだで(ぼんやりとした)ビートルズ崇拝。バンドよりも恋がしたい。独創よりも焼き直し。憧れだけの後輩人生。恋人次第のノンポリ人生。なりたいな♪なりたいな♪洋服屋さんになりたいな。載りたいな♪載りたいな♪スマートの表紙に載りたいな。ハイ、これは偏見です。

でもさあ、ランシドみたいなモダンでポップなトレンドロックをさ、見た目がトゲトゲだからってグッズひけらかして道端たむろしてさ、カメラ向けられたら舌出してさ、お得意のシド顔こさえてさ、実際は人間万歳!地球市民!な心持のくせに中指なんか立てちゃってさ、説得力ゼロだよ。連中皆、パンクに深く入り込んでない人間・・・・に俺には見えるんだけどなあ・・《つづく》

今週のおかず三品:
操り人形/村八分
普通じゃない/ちあきなおみ
BEAUTIFUL WORLD/DEVO


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