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第七十一回 触れたら言えよ。「厭になった」と。騙すより 黙るより
俺は、知らない。 自分のバンドが生演奏をするその日、その会場のその時間に、どんな名前でどんな顔でどんな格好でどんなキッカケでどんな思いで、どれだけの数の支持者の人達が「お客さん」として潜入・愉しんで帰って行くのか、その殆んどを、知らない。まるで把握していないのだ。 理由はハッキリしている。支持者の方々の一切の個人情報が、バンド側(我々)に知られない様になっている、からである。ご存知の方も多いだろうが、中学生棺桶のライブは、通常いつでもどこでもどこの誰が何人でも、特に事前予約無くとも毎回「前売り券扱い」で、何とも気軽に潜入出来る様になっている。予約が要らないのだから、当日に受付でありがちな「名前を名乗る」等の必要も無い(名乗らせないイコール名前を控えないイコール我々は把握出来ない)。「棺桶を観に来た」と指名するだけでいい。それだけで、割高の当日券を払わなくてよくなり、そのハコの通常のチケット料金(前売り料金)になる。名前を知られずに、電話やメールの手間をかけずに、どこの誰でも、気軽にスッと入り、好きに覗いてスッと帰れるのである。演者に存在を悟られぬまま。 (※つまり「凶育出版社」のホームページに書いてある様な「ライブ予約」は、我々中学生棺桶に関してだけは不要なのである。してもしなくても同じである。その他に何か質問や依頼や縁談の話があるのならば、どうか俺に直接よこしてもらいたい。接触先のアドレスは、俺が大体二ヶ月に一度は作って刷っている「欲しい人だけ持って帰るチラシ」に毎回載っている筈だ。今後は「そこ」へ宜しくお願いします。 で、ちなみに、ここの編集長ですら何か微妙な勘違いをしてる様なので、この機会にもう一つ断りを入れておくが、「凶育出版社」は別に中学生棺桶の「所属レーベル」ではない。我々は現在いずれのレーベルにも事務所にも所属していない。「凶育出版社」は2005年春のスプリット盤発表の際に使用した「看板の様なもの」であり、それ以上の機能は未だ無いという証拠に、それ以降は何の制作も発表も無いままなのである)
中学生棺桶には、この「レッツ!インターネット!」な世の中で、いまどきホームページも無い。作らないのではない。作れないのである。作ってもらったとしても、今度はその運営がままならなくなるだろう。 ホームページが無いのだから、顔も見えない知らない人と会話する事も無いのである(そんなやりとりは「会話」ですらない気もするが)。お互い、ライブハウスで直接声を掛けるしかない。その瞬間、やっと面は割れるのだ。それでいいじゃないか、と思う。昔は、どんなバンドだろうが皆そうだった筈だ。「確認」には「出向く」以外に方法は無い。「知る」には「会う」しか、今も昔も無い筈だ。 もう一度言う。我々のバンドにホームページは無いのだ。無いのだが、その事で今まで何の損も得も無く、何の不便も感じずに、ここまでやってきました。無いなら無いで何とかなるものである。その事は、今の我々によって証明された。こうやってコラムコーナーに寄稿する事で、その原稿料代わりに堂々と「迅速なる告知」等をさせてもらう事もあり、それはとてもとても有り難いんですが、まぁでもパソコンで出来る事なんてそこまで、ここまでのもんじゃないか、と俺は思っている。だから「ネット上」に対してこれ以上を、バンドマンとして俺はもう何も望んでいない。こんなもんで充分だろう(勿論、協力者には常に感謝しています)。阿呆に営業させる為&阿呆の野次に付き合う為の掲示板?自分撮りのナルで面白くも何ともない近況写真を公開する為のまめな二言三言ブログ?CDを外出て買いに行かずに指一本で楽曲ダウンロード?メン募装ってヤリ目的交渉?要らん。全部、糞くらえだ。
今回も今回で、俺はごくごく当たり前の事を言っているだけである。決して屁理屈じゃないだろ?ガキじゃあるまいし、やっかみ抜きで判断して理解して欲しいものだ。 そのバンドをよく知りたいのなら、ライブハウスに足を運ぶのが一番だ。と、今回はそれだけです。
今週のおかず三品: SAETA/NICO 夜の精/佐井好子 アメンボの歌/早川義夫
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