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第5回 感動の涙
本当に感動するときは、涙ってやつがどこかに行ってしまう。 泣くことを忘れてしまうほど、体が吃驚しているのだと思う。 涙が出てきてくれないということも分からずにいるのだ。 どうして? とも思わず、ただひたすら感動をしていて、 頭の中で何かがはじけても気づかないのだ。
本当は 泣きたい。 わんわんわんわん 泣きたい。 子供みたいに 目も鼻もこすりながら ぐちゃぐちゃになりたい。 目が腫れてしまうまで、感動の涙を流したい。 感動をして、しばらく経ってから、いつもいつも思う。
悔し涙は何度も流したことがあるし、 悲しくて泣いたことも何度もある。
でも、どうして感動の涙はひとつもこぼれてきてくれないのだろう? どうしてそのときだけ涙腺は私に意地悪するのだろう? そんなことを思うたびに、悲しくて泣くのです。 ポロポロポロポロ涙を流して、どうして私は感動の涙が出ないの? と泣くのです。
もしかしたら、
もしかして、
感動をしたことがないのかしら?
いいえいいえ…… 感動はいくつもあった。
なのに
なのに
なんで涙があふれてきてくれないの? とっても切ない。なんだか悲しい。
兄の結婚式では、とっても感動をしました。 身体障害者のおばさんは、とても喜んで、 感動の涙をボロボロこぼしていました。
私もあんな風に、ボロボロボロボロこぼしたい。 何が足りないのかしら? 純粋さかしら……
いつか、
いつか、
感動の涙の水たまりをたくさん作ろうと思います
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