|
第15回 四国遍路編6
7月23日 6日目 おもいねおもいよ
人の親切が、おもい。荷物がおもい。 おもい、持って、行ってる。 荷物がおもい。 おもいがおもい。
道路を行ってる。
ああ、俺は 生半可な では
しちゃ、いけないんだな。
やば。 おも。
俺おもう。 俺おもう。 おもいね。 おもいよ。
四国のうどんは旨い。マジで旨い。山が砕けて海が干上がるほど旨い。森の小熊くらい旨い。↑みたいな訳分からん自己満足の詩を書いてしまうくらい旨い。世界観が変わるくらい旨い。また、恋、してみよっかな、て思うくらい旨い。ああもう、ゴミ捨てるの来週でいいやってなるくらい旨い。内定出るくらい旨い。そばくらい旨い。うどんはまるで、春の海のようだ。うどんはまるで、ボニー&クライドだ。うどんはまるで、パラサウロロフスだ。うどんはまるで、そう、愛だ。うどんは愛そのものだ。 俺は徳島名物たらいうどんに舌鼓をうっている。讃岐うどんはまだ食ったことない。あと3週間もすれば嫌でも食うことになるだろう。嗚呼、うどんが旨い。めっさ旨い。ごっさ旨い。べら旨い。旨いにょん。うどんが旨いなんて21年生きてきて全く知らなかった。 まさかこれほどとは! 俺は沖縄生まれだから麺って言ったらやっぱり沖縄そば、ていう環境で育った。だからあんまりコシのある麺を食べたことが無かったんだな。つうかうどんなんて10代じゃ食わないよな。もっと脂っこいのが食いたいでしょうよ少年は。俺は大人になったのだ。成長したのだ。新しい世界に自分から飛び込んでそれをものにしたのだ。フロンティアしたのだ。うどんを。俺は四国でうどんを知った。うどんが旨い。でーじ旨い。ばり旨い。しに旨い。おに旨い。だいず旨い。
7月23日6日目。俺は徳島でもっとも有名な善根宿「大師の里」に泊まらせてもらって、歩いていたら途中おばさんに拾われて20→21→22→23。第21番札所大龍寺のロープウェー代2400円を出してもらったり、お小遣い貰ったりする。23番札所薬王寺の門前でぼーっとしてたら通りすがりのおじいさんに2000円貰ったり、ジュース買おうと思って自販機の前で迷ってたらどっかの奥さんが買ってくれる。
びっくりするくらい四国はお遍路さんに親身なのだ。俺は歩きながらそのプレッシャーに小さくなってる。待遇のよさに恐縮している。俺はここにいていいのだろうか?俺は何をしているのだろうか?歩きながら返す方法を考える。うどん食いながら考える。当然、頭の悪い俺には答えは出せない。
これから歩まねばならぬ行路をおもうと心がおもい。
おもいおもいが肩にのっかかって、おもい。
おもいなって俺おもう。ほんとうに いいの?
第23番札所の近くにある食堂「はしもと」のご主人さんがバスを改造して人が泊まれるようにして遍路者を泊めている善根宿があって、そこに泊まる。ダイノジで寝る。一人だった。かなり久しぶりにテレビを見る。食事までご馳走になって、やりたい放題。本当にこれでいいのか?俺は。何かが麻痺している。何かが見えなくなりそう。
「はしもと」主人はものすごく口が悪いが、多分人情派。ぶっきらぼうに俺に言う。その言葉には心がこもっている。
「おい、お前、気をつけて行けよ」
マジで泣きそう。
そしてバスの中で寝る。
今日もぎらぎら月がぎらぎらいってる。
それにしても四国のうどんは旨い。 旨すぎるんだよ。 何の異論も無いよ。 うどんが旨いんだ。
なんで俺なんかに話しかけるの?
いちいち
毎晩いちいち決意する。
毛穴からこぼれだすおもい。
おもいおもいよ。
いくよ幾夜もいくから。
いくよ。
おもいおもいを担ぐ。
おもいおもいを担いでいることを自覚しなければとおもう。
↑ページのトップに戻る↑ |