第59回 1泊6日の北海道旅行 札幌の夜編1

 ピッピピピー。
 もしもーし。チェックチェック。あ、あ、あ、あー。聞こえてますかー。聞こえてますかー。おーい。はーい。あ、繋がった? 聞こえてます? おし。こんばんは。こちら新造。山田(みなとみらい)新造だよ。皆元気してる? 俺は元気。嘘だけど。今ね、俺ら札幌に来てるんだ。札幌寒いですよ。5℃くらい。さむさむさむむんだ。東京と10℃くらい温度差があるね。まだ11月なのにネ。北海道って寒いのネ。北のほうに、あるからなのかなあ(地平線)。今日の昼に苫小牧に着いたんだけど、俺ら無計画だからさ。何すればいいかわっかんなくて。なんかしりとりとかしてたの。3時間くらい。歩きながら。延々と。苫小牧って何にも無い街なのな。もうしょうがないから、札幌行ったらどうにかなんべ、つって。電車に乗って。JR千歳線っての。1時間半とかかったよ。広いっ。北海道広いっ。着いたらもうなんか夕方さね。っトワイライトっ!! て感じ。あー、夜景が奇麗だ。空気が凛としているなあ(大宇宙)。札幌にいるんだ。もんわかぷんわかした都会だよ。おお、あそこに見えるのがテレビ塔だぁ。高いなあ。天空を突き刺しているよ。槍みたいだ。like a男根だ。こう、反抗してるよね。重力とかに。造反だ造反。造反有理。造反テレビ塔。テレビー塔っ。びよーんって建って。
 それにしてもさ、ちょっと唐突だけどさ。今疑問に思ってることがあって。そのことちょっと記述していこう。みたいな。旅って何なんだろうね。俺らね、あのー、
 あ。
 そうだ。俺らは誰かってことだよな。俺は何者か。それからやっとこう。とりあえず肩書きっていうか職業は学生なんだよ。スチューデント。つまんない2流私大に通ってる大学3年生よ。サークルにも入ってなくて、男同士でただ音楽と映画と女の話ばっかしてて、酒ばっか飲んで、金も無いから授業サボってバイトしてって。ありがちな文化系の。やるせないニート予備軍な。つまんない学生なわけ。分かるこの感じ? え? なんで大学生になったかって話? なんかそんなウインドが見えるね。そんなアトモスフィア臭がするよね。そういうところから入りたいでしょ? まあ、あれ。勉強が出来る子だったわけよ。それだけよ。田舎者だからさ。勉強ができた、を名分にでっちあげちゃって上京しちゃうんだな。そんなもんよ。何も考えていないわけ。そんで東京の端っこでたらたら学生として無作為に3年過ごした後の秋だ。今は。今は秋。凍えるくらい寒いけどな。取るに足らない東京在住文化系大学生の秋。それが旅で、北海道だってこと。
 で、戻すよ。旅って何よってね。まあ『逃げ』だってのはとっくに気づいてるんだけど、そこで話を着地させるって短絡的くない? 短絡的って言って話をのばしてぐだぐだしたいだけなのかもしれないけど。まだここにいたい〜みたいな。温い布団。でも、『逃げ』で事を終わらせるのは後ろ向きだし、生産的じゃないから、もっと頑張らなきゃ。頑張れ俺。『逃げ』の向こう側を見つけろ。とは思うものの、やっぱり八方塞なんだな。もう限界だ。このテンションも。あ、あれだ。どこまで逃げられるかとかなのかな、とかじゃない。違う? 俺も違うと思う。ぐだぐだ続くよ。やっばわがんね。おらにはわがんね。考えるのやーめたっと。

 あのね、紹介遅れたけど、あそこでふて腐れてタバコ吸ってるのが相棒のマルク。マルク・桜坂・コカイン2世だよ。ちなみにあいつの吸う煙草の銘柄はピアニッシモ・ワンね。長細いやつね。それ吸う意味あんの? っていうね。いい奴だよあいつは。あいつと一緒にいるとなんか落ち着くのよ。2人は仲良し。仲良し北海道。まあ、いいのかどうかは置いといて、今はこれが俺らの現状っちゅーか実際っちゅーかそーゆーの。これしか出来ない。これしか分からない。ぐらぐら揺れて札幌にいるのであるのだ。理由は未獲得だ。
 あーあ。
 あ。
 あのね。
 一応言っときますけどね。俺ね。甘党。甘党なのよ。甘いの大好きなんだよ。甘いのと結婚したいよ。ほらあれ。あの看板見てみろよ。懐かしいロゴが光ってるよ。
 雪印。
 雪印だぜ。もう東京じゃ見れないよ雪印。まだあったんだね。なあマルク。雪印だよ。パフェ食おうぜ。小腹すいたろ?パフェパフェ。パフェー!俺、今パフェ食えないなら死ぬ。なあマルク。なあマルク。



 あー、美味しいなー。パフェは美味しいなー。
 なんだよマルク、頬杖をついて俺のこと見てるの。怒ってんの? 怒らないでよ。



 ん? カニ食いたいの? マルクはカニ食いたいの? うん。行くよ。俺付き合うよ。だってマルク、俺が食べたかったパフェに付き合ってくれたもん。んふ。次は俺が頬杖ついて、マルクの食欲見る番だね。

 ピッピピピー。

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