第70回 小学校から英語?

 先週めずらしく教育のこと考えてたらまたそういう話題に目がいった。なんとも小学校で英語を必修にするかどうかという議論が活発になっているという。文部科学省の諮問機関で識者集めて議論しているというが、諮問機関の議論なんて後付でカッコつけるための茶番にすぎないので実際はもう決定済みということだろう。私はぜんぜん知らなかったのだけれど、すでにおよそ9割の小学校でゆとり教育の「総合学習」という時間の中で月に1、2回程度英語の授業をやっているらしい。授業といっても中身はあいさつしたり歌うたったりゲームしたりということみたいだが。4/7の日経の社説では「戦後の英語教育は大失敗だった」と斬っているが、その意味するところはどういうことだろう。英語の授業といえばずーっと読み書き文法が主流というかそれしかやらず、聞く・話すに関して言えば少なくとも最近まではほとんどの学校でゼロに近いものだった。そりゃ当たり前で英語は受験のためにやるのであって聞く・話すは要求されていなかったから、そんなこと積極的にやる動機などほとんどの学生には関係なかったのである。ようやくセンター試験でリスニングが出題されるようになったところを見ると最近の高校ではリスニングをやっているのだろう。しかし圧倒的有利だよね、帰国子女系やそっち系の学校の人は。個別の大学ならともかくセンター試験レベルでそれやっていいのかねとは個人的に思う。さて英語教育は大失敗だったのか?ではどういう結果になれば成功だったといえるのか。なんだかTOEFLの得点平均が日本は下から2番目だとかいうデータがあるけれども、日本はどのレベルの人でも気軽に受けられるのでそりゃ平均点は下がるわな。途上国の場合は留学候補のエリートしか受けないから平均点はめちゃくちゃ高くなるに決まってる。まさか日本人は6年間も英語勉強しててまったくしゃべれないから大失敗っていうんじゃないだろうなぁ、日経よお。

 どんな教育方法をとろうとも本人のなぜ英語を勉強するのかという強い理由とか動機がないと勉強したって身につかない、というのは多くの人が経験則としてわかっていると思う。勉強はだめだけどギターならすぐ覚えたとか。だから小学校から英語をやったって効果なしとはいわないけれど、英語の必要性を感じない子や興味のない子はどうせすぐ忘れるし、せいぜい大学受験まででしょう。それに日本で暮らしている以上日常生活で英語を使わなければならない場面なんてまずない。結局は受験勉強の一科目にしかならないと思う。英語が必要になってマスターしたいと思ったら単語をがしがし覚えるのがいちばんの早道だしそれしかないのである。単語知らないとリスニングもスピーキングもはじまらない。外国人だって「皇居、どこ?日本、女の子、かわいい」とか知ってる単語適当つなぎ合わせてしゃべるけど日本人もそれでけっこう。単語さえ口に出せばなんとか通じる。あとは実地訓練。コミュニケーション能力を磨こうと思ったらあとはひたすら会話しまくるしかないわな。個人的経験からいえば関西の女性は英語の上達がとても早い。あの調子で単語をマシンガンで打ち込むからすぐ会話が成立していつのまにかちゃんとした英語が話せるというパターン。無口な男はいちばんだめ。いつまでたっても話せない。

 小学生から英語教育で問題となっているのは国語力が低下する、向上しないのではということらしい。そういうことはよくわからないけれども小学生レベルだと日本語の単語知識もまだ少ないので、簡単な英単語しか使えない。だから子供レベルのコミュニケーションは学べてもそれ以上の要求はそもそも無理である。そういうことが懸念として浮上してるのなら英語じゃなくて中国語やればいいと思うけどな。漢字覚えるよー。それに漢字の奥深さわかるし。中国語覚えられるし。知り合いが中国に行ったとき、腹が減ったので筆談で「我腹減」と書いたら病院に連れて行かれたそうだが、腹が減ったは「我飢」と書く。飢えてるんですよ。ちがうけど同じだし同じだけどちがう。なんとなく国語力上がりそうな気がします(笑)。ちがう国の言葉を覚えるにはその国の文化も学ばないと身につかない。小学生が他国の文化を理解するにはちょっと無理があると思う。結果的にニューヨークのダンス留学から帰ってきたときの昔の郷ひろみみたいに「ニューヨークではフレンドがみんなミーのことケアしてくれて」とかそんな言葉しゃべるガキが増えたりしたらそっちのほうが大失敗だと思うんだけど。

 そうそう、アメリカのハイレベルの高校ではすでに第2外国語の選択で7割の生徒が中国語を選択するそうだ。日本人とアメリカ人が同時に中国語の勉強はじめたらどっちが上達が早いか?読み書きは圧倒的に日本人が早いですが、聞く・話すはアメリカ人のほうが早いです。巻き舌のRの発音が中国語にもあり文法も英語により近いらしくなじみやすいみたい。我飢は I am hungry. 腹が減ったよりなんか似てるよね(笑)。実はもうすでに米中は精神的な距離では日中よりずっと近づいている。経済的にもアメリカにとって中国のほうがより重要な国にとっくになっている。このことはまた日を改めて。

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