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第71回 ああ、川崎市
今までに数人から、「川崎市民にだけはなりたくないんだよね」というせりふを聞いた。「どうして?」と聞くと返ってくる答えは一様に、「だってほら、なんかイメージ悪いじゃん」という類のものである。逆に隣の横浜市や川向こうの世田谷区はイメージがよく住んでみたい、住所にしたいという声をよく聞く。川崎市を覆うマイナスのイメージ、ガラが悪い、汚い、こわい、などいろいろあるがそれは昔の川崎駅周辺とか海側の工業地帯のことであって、現在の川崎駅周辺はたいへん整備されていてきれいになっており、マイナスイメージとは程遠いという気がする。工業地帯のほうは確かに交通量が多く空気も汚いが、住宅地でもないし用のない人が訪れる場所ではないので、工業地帯までイメージに入れられてしまう川崎市はちょっと気の毒でもある。だいたい昔ガラが悪かったころの川崎を若年層は知らないはずだし、上京してきた人も知らないはずだ。私も知らない。横浜の日の出町伊勢崎町近辺は今でもけっこう気を張るが川崎はそんな気はしない。なぜいまだに川崎市にはマイナスイメージがこびりついているのだろう。
もしかして、いやまさか、と思うことはあるが何人かから同じ意見を聞き、そのたびに訂正してきた。「だって、ほら、川崎病とかあるじゃん」。という誤解。昔学校で習ったような病名、なんとなく川崎で発生した公害病のイメージ。ちょちょちょっと待って。川崎病っていうのは川崎さんが見つけたから川崎病って言うんだからね!! こう訂正してびっくりされること数度あり。知らなかった、てっきり川崎市の病気かと思ってたという反応が返ってくる。だいたい川崎病は公害病じゃない。全国どこにでも患者はいる。まだ解明されていない幼児がかかる病気で小児科医の川崎先生が発見した。川崎市とはなんの関係もない。また川崎ぜんそくというのもあるが、これは病名ではなく当時誰かが勝手にそう呼んだだけであって、確かに川崎市の湾岸部にある工業地帯から発せられた排煙が原因のひとつではあろうが、工業地帯は木更津のあたりから横浜まで東京湾岸をびっしり埋めていた、いわゆる京浜コンビナート地帯であって川崎市からでた排煙だけが原因じゃない。それなのにいつの間にか川崎ぜんそくという呼び名がある程度通ってしまった。本当なら京浜ぜんそくとか東京湾ぜんそくとかそういう名称でなければならないのに川崎限定にされてしまった。おそらく4大公害病のひとつ四日市ぜんそくから連想付けて川崎が生贄にされたのだろう。東京ぜんそくなんて呼ばれたら国際的にも影響が大きいから圧力もあったにちがいない。いずれにしろ川崎市が不憫すぎる。
地図を見ていただければわかるように川崎市は広く横に長い。さらに言うなら横浜市もやたら広い。横浜市青葉区の山林で「ここが横浜かよ!」と言いたくなるようなところもある。いわゆる横浜らしい横浜、異国情緒豊かな横浜なんてのは横浜市のほんの一部。同様に川崎市も工業地帯の川崎市は海側の埋立地だけで東の方は街、西の方は自然豊かな丘陵地帯である。そして東京との県境を流れる多摩川。交通の便もいいし道路もわりと走りやすい。けっこう住みやすそうなところであるのに嫌われてしまう、なんかぱっとしない川崎市。東京と横浜にはさまれワンランクもツーランクも下に見られてしまう川崎市。なかなかマイナスイメージを払拭するのは容易でない。近年はハイテクのイメージをつくりたいらしく、ベンチャー誘致に力を入れたりしているし外資系ハイテク企業の中には土地の高い東京を避けて川崎に本拠を置くところもあるがそれだけではなかなか難しい。一般市民が住みたいという気になる川崎市になるにはどうしたらいいだろう。東京近辺のスーパー銭湯の中で「丘の湯」という銭湯がダントツで人気NO1らしい。私もよく行く。ここはよみうりランドの山の上にあってとてもいいところにある。すぐそばには巨人軍の練習場や合宿所。値段も安く広くきれいで湯もたくさんあって楽しい。それで改めてぐぐって見ると、丘の湯の住所は、、、東京都稲城市じゃねえかよ、、、orz。ずーっと川崎市多摩区だと思ってました。よく地図を見るとちょうど川崎市と稲城市の境目である。ああ、なんたる不運な川崎市。というわけでスーパー銭湯好きな私はいまから丘の湯に行ってきます(笑)。
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