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第92回 りんご
小3,4年生のときの担任は教育大でたての男先生だったが、この先生がいま思うととんでもない先生だったというか若気の至りだったというべきか、なかなか面白い熱中先生だった。大人になって気づいたのだがけっこう間違ったことを教えていて、その中でいい年まで信じ込んでいたのがりんごにまつわる話だ。まず、「りんごの蜜はあとから注射で蜂蜜を注入したものだ」というもの。素直だった小3の私はもちろん信じ、発想が飛躍して、「蜜が入っているりんご=人工的に処理されたもの」だから「食べてはいけないもの」というふうになぜか変換されて母に報告した。すると母も信じ込んでしまい、以後うちではりんごを切ったときに蜜が入っていたら「腐っている」といって即ゴミ箱行きとなった。九州なのでもともとりんごを食べるという習慣があまりなかったせいかそんなに食べる果物ではなかったが、まあ勘違いもはなはだしいものだった。ところが母はつい最近まで信じ込んでいたらしく、ようやく先日その間違いを正してあげた。りんごの蜜はもちろん自然のもので甘くておいしいところ。ほんと実家はりんごを食べない家だったですよ。いまの私はりんごが大好き。それもまるかじりで皮ごと食べる。「えっ、皮ごと食べるの?」と思った人はもしかしたらこの誤解をしているのかもしれない。「りんごの皮はワックスを塗っているからあんなヌルヌルしている」。これも担任の先生が教えてくれた間違った知識だ。
少なくとも国産のりんごはワックス処理などしておらず、あのヌルヌルはりんご自身から出てくるリノール酸で熟してますよというサインでもあるそうだ。だから食べても平気だし、この皮の部分がとっても栄養のあるところなのでりんごは皮ごと食べたほうがお得。確かにあのヌルヌルは気持ち悪いかもしれないがなれてしまうとなかなかおいしい。テレビの上なんかに置いておくとストレスでより熟すのが早くなりヌルヌルが増えてよりおいしくなるらしい。そういいながら私もこの先生の話はずーっと信じていてりんご食べるときは絶対皮をむいてたし、それも5ミリくらい厚めにむいてしまっていた。栄養を捨てて水分と食物繊維だけをとっていたようなものだ。りんごはおいしいよ、栄養あるよと周囲に言いふらしてるが、よくよく見ているとりんごそのものの人気がかなりなくなっているというのに気づいた。どうも皮をむくのがめんどくさいという声が多いらしい。確かにそうだし甘みも梨に比べると劣る。それにあのヌルヌルだもんな。面倒なら皮ごと食えといいたいところだが、どうも私らの世代以降の人はりんごを丸ごとかじったことがない人が多いようだ。女性の場合は見た目がはしたない行為だからしつけの上でよくない行為とされていたのかもしれないが、それ以前にやはり現代人のアゴの力が低下していることと関係があるだろう。そういえばだいぶ前には「りんごをかじると歯茎から血がでませんか」という歯槽膿漏予防歯磨き粉のCMがあったが、その前提が成立しなくなったのだろう。りんごまるかじりする人なんてほとんどいないのかもしれない。だったらせめて皮をむかないで小さく切って皮ごと食べることおすすめです。
りんごはカナダやアメリカ北部などの寒い地方でとれアメリカでもよく食べられる果物だがりんご料理(アップルパイとか)にするとおいしいけどそのまま食べるのだと日本産のがいちばんおいしい。これは世界的にも同意される意見で、食料輸入大国の日本の中ではりんごは輸出されている農作物でもある。とっても人気があるのだ。甘くておいしいと。南国フルーツ豊富な台湾にすら輸出されていて高級品としてありがたられている。寒くなってきてりんごが出回ってくる季節。ダイエットにも効き目があるのかりんごダイエットなるものも存在する。たぶん一個食べるとそれだけで腹いっぱいになるからだろう。でもそのときはちゃんと皮を食べないと栄養が足りなくなるから注意です。りんご医者いらずの言葉があるように昔から貴重なありがたい果物。あくまで皮ごとですよ、皮ごと。りんごを丸ごとカプッと食べる姿に世の婦女子から「きゃ〜たくましいわ」と思われること請け合い(笑)。
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